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INOVATION STORY

AGホイール

抜群の切れ味や長寿命を実現した、
砥粒の配列コントロール技術

従来の電着ホイールと違い、砥粒(ダイヤモンド)を任意に配列することができる「AGホイール」。長年の常識を変えることに成功したその革新的な技術開発は、切れ味、目詰まり抑制、寿命などにおいて、これまでにないレベルのメリットを生み出した。

AGホイール

開発のきっかけ

長年困難とされていた砥粒の配列コントロール

電着ホイールには砥粒の突き出しが大きく、切れ味が良好な特性があります。しかし、加工中の摩耗による作用砥粒の増加や目詰まりなどが、切れ味低下や形状不良などの原因になります。従来の電着ホイールを調査すると、固着された砥粒のうち、作用していたのは全体の一部だけという事実も判明しました。
このことから、より少ない砥粒を効率的に並べられれば、切れ味の向上や目詰まりの抑制につながることは、ある程度簡単に予測がつきました。しかしこれを改善するには、既存の製造工程とは抜本的に異なる、新技術の開発が不可欠で、長年困難とされていました。急を要するほどではないものの、常によりよいモノづくりをめざす旭ダイヤにとっては放っておけない問題でした。

従来の電着ホイール

砥粒配列仕様

取り組み

革新のきっかけは、
過去に不採用となった技術

単純な工具形状に砥粒を配列することは容易ですが、電着ホイールのような少量多品種の様々な形状に、仕様毎に異なるサイズの砥粒を配列することは困難でした。解決策として新技術のアイデアを広く模索した結果、最終的に採用されたのは、なんと過去に一度不採用となった技術です。技術革新により展開する目処が立ったのです。新技術であったため細かな試行錯誤には苦労しつつも、おおむね早い段階で納得のいく試作品が完成しました。
しかし、いざ量産化という段階にて、製造工程の途中で砥粒が脱落してしまう問題が発生。原因を洗い出し、その解決策を1つずつひたすら試して検証する日が続きます。結果、従来の技術をすて、抜本的に異なる製造工程を採用することで解決することができました。

取り組み

想定外の長寿命化

新技術を搭載した「AGホイール」の性能は、まさに革新的でした。例えば、ある製品では、従来の電着ホイールと同等の加工精度でも、研削抵抗は半分以下と抜群の切れ味を示しました。これにより、研削焼けの抑制や高能率加工への対応が見込まれます。
また、加工時に発生する切り屑をスムーズに排出し、目詰まりを抑制するところも狙い通りでした。「AGホイール」は切れ味重視の仕様のため、従来品に対し砥粒数が少なく、耐摩耗性が低い懸念がありました。それでも、あるお客様先での導入の際には、目詰まりによる加工不良が抑えられ、実際にはなんと寿命が3倍に。この事実には、お客様も開発チームも驚きを隠せませんでした。

抜群の切れ味

従来の電着ホイールに対し、同等の加工面粗さでも
研削抵抗は1/2程度抜群の切れ味を誇り、研削焼けを抑制

高い切り屑排出性

ツールの目詰まりを抑制し、良好な形状精度を維持

開発の成果

多くのお客様のニーズに応えられる、可能性に溢れた新技術

AGホイールは特殊な工程を用いている分、製造時間がかかってしまうので、より生産性を高めることが現状の課題の1つです。現在は主に自動車部品や建設機械の油圧部品などを中心に評価頂いておりますが、今後は別業界への拡販も検討中です。併せて、より大きなサイズへの展開なども検討しています。

可能性に溢れた新技術-1
可能性に溢れた新技術-2

そもそもAGホイールの特長は、砥粒の数や配列をコントロールできる点にあります。つまり、お客様によって最適な仕様を提供できるのです。より多くのお客様のニーズに応えていくため、AGホイールは今後も進化を続けます。

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